北陸 ヒト×コト

北陸から世界へ。ひとつひとつの経験を成長につなげていく。

バドミントン選手

山口 茜さん

1997年生まれ。福井県勝山市出身。昨年4月にはシングルスでは男女通じて日本人初の世界ランキング1位に浮上、12月には全日本総合選手権女子シングルスで連覇を果たすなど快進撃が続く。再春館製薬所 所属。

校卒業までを生まれ故郷の福井県勝山市で過ごし、現在は熊本を拠点に活動するバドミントン選手、山口茜さん。昨年12月には全日本総合選手権女子シングルスで2年連続3回目の優勝を果たすなど、名実ともに世界のバドミントン界を牽引するプレーヤーのひとりだ。
初めてラケットを握ったのは3歳の頃。5歳から本格的に競技を始め、中学時代に史上最年少で日本代表に選出された。その後は世界のトップまで瞬く間に駆け上がったが、当の山口さんは華々しい経歴とは対象的と言えるほど謙虚な姿勢を貫く。「今回の全日本総合選手権も、連覇はあまり気にしていませんでした。優勝はもちろん嬉しいですが、自分を抑えて冷静にプレーするという課題を達成できたことが収穫です」。大きな目標を掲げることはあまりしないと話す山口さん。「すべての大会、試合を通過点として、ひとつひとついい経験を積み重ねて成長していきたいんです」。

「バドミントンの魅力は老若男女が楽しくプレーできるところです。観戦したりプレーしたり、たくさんの人にバドミントンを楽しんでほしい」と語る。

話題を試合から地元福井県の話に移すと、ひときわ明るい笑顔を見せる。「福井全体が私にとってホームなんです。熊本に来てからも地元に戻ると街の人みんなが親戚みたいに迎えてくれて。おかえり!って言ってくれるのが本当に嬉しいです」。海外遠征の多い山口さん、日本を離れて恋しくなる味が福井のソースカツ丼だと笑う。「お蕎麦とか、地元チェーン店のラーメンも思い出しますね。福井に帰ったら家族や友だちと必ず食べに行くんです」。
いつか時間に余裕ができたら、まだ行ったことがない北陸の温泉地を訪れてみたいと話す山口

さんだが、オフシーズンがないバドミントンの選手として、練習、国内外の大会の日々が続き、北陸温泉旅行の実現はまだしばらく先になりそうだ。それでも、その表情は明るいパワーに満ちている。「自分が一生懸命にがんばることで、その姿を見てくれる人の力になりたいといつも思っています」。
故郷の福井から世界へとはばたき、さらなる成長を続ける山口茜さん。地元北陸から届くエールもまた、彼女のパワーの源になっているに違いない。